Web業界への転職は、SIer経験者が有利だと感じます。
本記事では、そのSIer経験者が有利と思われる理由と、その経験を活かしてWeb業界でどの職種(ポジション)を狙うべきかについて、言及したいと思います。
本記事の内容は以下の通りです。
✅こんな人向けの内容
- SIer経験者でWeb業界に興味がある人
- Web業界の業種について、なんとなく知りたい人
- Web業界への就職・転職を考えている人
また、本記事や本サイトに関する、ご質問・疑問やご意見等があれば、ページ最下部のお問合せフォームから、ご連絡ください。
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目次
Web業界とSIer業界は提供商品のPDCAがほぼ一緒
まず、Web業界とSIer業界は同じIT業界という理由もあり、その企画から開発手法、分析・評価などのPDCAサイクルが似ています。
■Web業界とSIer業界における提供商品のPDCAサイクル
以下の通り、1.企画~4.改善までの商品提供サイクルはほぼ一緒となってます。
段階(フェーズ) | Web業界 | SIer業界 |
1.企画:市場調査・基本構想 | 顧客企業や個人事業主に対して、Web商品(EコマースやWeb広告など)のマーケット調査し、業績UPに繋がる商品を提案する。 | 顧客企業の業務内容と市場を調査し、顧客企業の業績UPに役立つ、ITサービスやシステムを提案する。 |
2.製造:設計~構築~テスト | Web商品の設計・制作・テストを実施する。 | ITシステムの設計・制作・テストを実施する。 |
3.評価:分析・評価 | 実際に商品を利用し、Web商品の、企画段階で予想した市場反応(仮説)とのGAP分析や評価を行う。 | 実際にシステムを提供し、ITシステムの、企画段階で予想した費用対効果(仮説)とのGAP分析や評価を行う。 |
4.改善:改善検討・運用 | さらなる売上UP、もしくは是正・改善に繋がる仮説を立案する。 Web商品の保守運用を実施する。 | さらなる業績UP、もしくは是正・改善に繋がる仮説を立案する。 ITシステムの保守運用を実施する。 |
両者の異なる点は、「提供する商品(Web商品、ITシステム)がそれぞれ異なるというところです。
Web業界で提供する主なWeb商品
- Eコマース (例:Amazonや楽天のWebサイトなど)
- ネット広告(Web広告、動画広告など)
- Webポータル、Webアプリ
SIer業界で提供する主なITシステム
- 社内情報システム(社内ポータル、メール、人事管理システムなど)
- 業務管理システム(顧客企業の業務の効率化・利便性を助けるシステム)
- ITサービス(クラウドサービス型で社内情報システムや業務管理を提供)
ただし、これらを提案・開発・運用するための、システム基盤はプログラム言語はどちらもほぼ一緒のため、IT業界の知識があれば、大差ないと言えます。
SIer業界経験者が30代でWeb業界で狙うポジションとは?
30歳を過ぎてWeb業界へ初めて転職する際に、SIer業界経験者が狙うポジションは以下の通りです。
- プログラム開発経験無し+サーバ知識なし ⇒ Webデザイナー(UXデザイナー)
- プログラム開発経験無し+サーバ知識あり ⇒ バックエンドエンジニア
上記以外に「プログラム開発経験有り」を選択肢から敢えて外していますが、その理由は「Webプログラマ」がもっともおすすめで迷う理由が無いためです。
Web業界の職種について、再確認したい場合はこちらで図解で詳しく説明してますので、参考にしてください。
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Webデザイナーとバックエンドエンジニアの理由
1. プログラム開発経験無し+サーバ知識無し場合
Webデザイナー(UXデザイナー)
今回、選択肢を「サーバ知識有り」と「サーバ知識無し」で2択に分けましたが、実はこのポジションがどちらの場合でもおすすめと言えます。
その理由は、
Webデザイナーは、「外部デザイン」と「利便性」の2種類を設計するもの
- 「外部デザイン」は”見た目”だが、これまでの人生経験がある方が有利
- 「利便性」は機能設計だが、SIer業界知識が非常に役立つ
「外部デザイン」はこれまでの人生経験がある方が有利
Web業界で制作するWeb商品(Webコンテンツ)の、ユーザに見える部分を価値あるデザインにするためには、ある程度のセンスは必要ですが、何よりも、これまでの人生経験が重要だと言えます。
IT業界で何年間も仕事をしてきていれば、これまで自然と数多くのWeb商品に触れてきてます。
たとえば、これまで自社や出向先会社の勤怠管理システムや交通費精算システムなどで、使い勝手が悪いと不満に思ったことありませんか?
特に国内の社内情報システムなどは、今のクラウドサービスなどのUXデザイン性と比べものにならないケースが多いですが、そのような不満を感じるということは、新しいものを開発(デザイン)できる知見や感性がある、ということです。
前提条件は満たしているため、あとはUXデザインなどの必要なお作法を、本などを読んで補強すれば、半年も経たないうちに業界で十分に活躍できることでしょう。
何よりも、Webデザイナーは今後ますます求人の需要が高まる上に、働く場所を選ばすに仕事もある程度できるという最大のメリットがありますよね。
今も、転職の求人は、35歳を過ぎると一気に減ります。39歳がぎりぎりでしょう。
でもまだ遅くはありません。早めにWeb業界の経験を積んで、将来に備えましょう。
2. プログラム開発経験無し+サーバ知識有りの場合
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアは、「デザインなんてセンスないからやりたくない」や「人とあまりコミュニケーションとるのは苦手」という人におすすめです。
バックエンドエンジニアは、Web製作したプログラムが動くための、apacheやtomcat、PostgreSQLなどの「ミドルウェア」やサーバOSを設計・構築するエンジニアのことです。
サーバ知識の経験をそのまま活かるため、まずはWeb業界に慣れるという意味でおすすめです。
Web業界での実績を積むということは、今後の転職や独立でも大きな個人の財産に繋がります。
フロントエンドエンジニアとWebデザインーの業務内容を浅くでも勉強しつつ、チーム全体で制作プロジェクトの業務経験を積めば、「Webプランナー」の上位職への道も見えるでしょう。
Web業界職選びの注意事項とその対処法
これだけは注意する点
- 会社は選びすぎない。経験を得ることを優先する。
- 最低でもWebディレクターかWebプランナーまでは目指すこと。
- プログラム開発自体に専念しすぎるな。森をみないとダメ。
1. 会社は選びすぎないこと。経験を得ることを優先する。
Web業界への転職する際は、会社を選びすぎないことをおすすめします。
その理由は、Web業界は需要が高まっていて注目もされてますが、小規模の企業や個人事業主が乱立し、新しいビジネスモデルが次々と生まれる激流の真っ只中だからです。
そのため、「数年後も安定してる会社」と言えるところはどこもありません。
SIer業界も、15年~20年前はITブームで近いような状況のときがありましたが、主流となるビジネスモデルが徐々に当確し、会社間の合併や倒産が続きました。
そのために、まずは本人経験を積むことを優先することを一番のお薦めとします。
経験さえ積んでいれば、会社の状況が最悪のことになっても対応できるようになります。
次に、「会社は選びすぎない」とは言え、それでも最善は尽くすようにしましょう。
そのためには、以下の行動をしましょう。
- これまでのSIer業界で知った会社や知人に声を掛け情報を集める
- 「転職エージェントの活用」で、担当者より情報を集める
2. 最低でもWebプランナーかWebディレクターは目指すこと
さきほどお伝えした通り、経験を積むことを優先させますが、「Webプランナー」か「Webディレクター」は目指すべき目標として日々の業務をこなすようにしましょう。
目指すべき目標意識がある/なしで、日々の業務で得られる経験が大きく違ってきます。
また、SIer業種でも経験があると思いますが、30歳を過ぎてくるとチームリーダーとしての管理と実行面の業務スキルが望まれます。
管理面と実行面の業務スキルを得るためには、「Webプランナー」か「Webディレクター」の仕事ぶりを実際に目の当たりにすることが一番です。
そして、それの経験を活かして、実際に自分自身でもそのWeb商品(コンテンツ)の制作プロジェクトを1度でも実践できれば、十分な本人実績ができたと言えますので、是非目標設定して目指してみてください。
3. 開発自体に専念しすぎるな。森をみないとダメ。
30歳を超えると、リーダーとしての資質が必要にあるとお伝えしました。
その意味で、徐々にチームメンバーや他の業務関係者との調整など、ある程度”俯瞰した”立場での「物事を見る・判断する」といった必要がでてきます。
よく、「第三者目線」とか「客観性」という言葉でも聞くこともありますが、この”俯瞰”した立場は、本人が普段から意識してやらないとできないことです。
Web商品などの目に見えるものを作るということは、好きな人は「楽しい」もので、夢中になってしまう人がいます。
または、「本人のこだわり」が強く出てしまい、要件は満たしているにも関わらず、ずっと修正を止めないという人もいます。特に技術者に多い傾向があります。
30歳を過ぎてそれをそればかりやっていては、リーダーの管理や実行面の業務が滞ります。
決して、「こだわる」こと自体は悪いことではありません。どうしても「こだわり」が必要と判断したなら、リーダーとして、顧客やWebディレクターやWebプロデューサーとのスケジュール変更などの調整を優先せよ、ということです。
まとめ:まずは情報収集を
途中でもお伝えしましたが、Web業界の今の転職求人は、35歳を過ぎると一気に減ります。また、39歳がぎりぎりと言えます。
早めにWeb業界の経験を積んでおけば、今後ますます注目される業界で、第一線で活躍できるかもしれませんし、もしくはワークライフバランスの一環として、「在宅ワーク」や「副業」などの選択肢も選べるようになります。
また、個人事業主として将来独立も可能と言えます。
そのためにも、早め早めの行動が重要になってきます。
まずは「情報収集」をということですが、Web上で調べるにも限界があり、「自分に合う情報を探すのが大変」であったり、「情報の真偽があやしい」などの情報もかなりあります。
間違いないようにするためには、人から聞きましょう。
- これまでのSIer業界で知った会社や知人に声を掛け情報を集める
- 「転職エージェントの活用」で、担当者より情報を集める
「転職エージェント」は、私自身も実際に転職で利用したことあります。
あとで「費用請求」や「しつこい電話」など何かしらあるのでは?また、担当者によるサポートがあるため、あとで何かしらの請求や転職が不利なるがあるのでは?と思ってましたが、大丈夫でした。
「彼らは良い人材を紹介して入社が決まった場合、その企業から紹介料として費用をもらう仕組み」が成立しているからです。
企業側もすこしでも他社よりも良い人材を確保するために、宣伝費や広告など経費を支出しており、そのためのコストの一部が流れるという仕組みです。なので、安心してください。
ということで、無料なら最大限に有効活用しましょう。というわけです。
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以上です。いかがでしたでしょうか?
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