やっと、昨年2018年11月に厚労省が企業のパワハラ防止に向けた防止措置を法律で義務化する方針を打ち出したが、具体的な措置はまだまだこれからの状況です。
実際のIT業界の現場では、パワハラ対策は各会社に委ねられており、その内容もバラバラといったところです。
パワハラ自体が起こる主な原因は、
- 「パワハラを起こしている本人が気づいていない」
- 「部下教育の一環として間違った指導をしている」
- 「すべて自分が正しいと信じている」
などの特定個人の考え方が原因であるケースが多いですが、そのような人材を採用している会社(組織)側にも大きな原因があると言えるでしょう。
本記事では、そのようなパワハラの根絶に向けて、組織方針として動いている「国内企業SIer」に着目して、お伝えしたいと思います。
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目次
今の国内企業SIerはホワイト化している
今、国内企業は以下のように変化してきてます。
特にSIerは人材も不足しきている現状もあり、ほぼホワイトの働き方にかわってきてます。
具体的には、
- 週2回以上は時間外労働の禁止
- ワークライフバランスを促進するように会社から個人に指導
- 年休は確実に消化させる
上記のような内容をしっかり部下に進めるようKPI(重要業績評価指標)として、管理職のマネージャや上司に課している企業もあります。
よって、国内SIer企業は、昔と違ってかなり働きやすい会社になってきていると言えます。
国内企業SIerが取り組むパワハラ対策事例
国内SIer企業の主な取り組み内容は以下の通りです。
1.組織トップからのメッセージが明確:パワハラ・セクハラ・モラハラ・マタハラ等の積極的取り組み
優良企業は、パワハラに限らず、セクハラ・モラハラ・マタハラなどのハラスメント系問題に対して、積極的に取り組みといった「組織の方針」が明確になってます。
このような人権啓発は、経営者などの組織トップからアピールしない限り、組織に根付きません。
その点で、国内SIer大手企業はグループ経営が多いため、組織としてのグループ全体の各会社の方針に、意識が根付いていることが多いと言えます。
2.就業規則への関係規定や労使協定の締結
昨今の国内SIer企業は、グループ会社を含めたグループガバナンスとして組織全体で労使協定や就業規則の一部を共通化しているところが多いです。
そのため、就業規則本文中に、パワーハラスメントの禁止規定を定め、懲戒規定と連動させるところもあります。
3.社内アンケート調査などで実態を把握
国内大手企業や関連グループSIer会社は、親会社のハラスメント対策方針に従い、例えば年に数回の頻度で、「社内アンケート」を実施しています。
当然、職場の上司や同僚にも記入内容が漏れないように配慮されており、その後の人事面談なども任意で行える仕組みとなってます。
パワハラは、なかなか自分から申告するにも勇気と体力が必要となります。
また、受けていても気づいていないケースもあります。
このように定期的な「社内アンケート」を実施することで、よりパワハラの実態が浮かんで来やすくなるため、会社側の対策も取りやすくなり、結果的に「働きやすい職場になる」変わっていくという訳です。
4.「管理職向け」「従業員向け」で人権啓発研修が整っている
管理職側と従業員側とそれぞれの立場に応じたハラスメント研修をしっかり実施していることがあります。
実際のその職場に応じたケーススタディなどの具体例を挙げて研修をすることで、より身近な発生ケースをとらえた教育を受けることができます。
このあたりの人事教育や研修を積極的に行っているところは、国内企業グループが多いと言えます。
5.ハラスメント専用の相談窓口がある
人事窓口とは別にハラスメント専用の相談窓口があるケースです。
このような窓口があると、実際に被害を受けた人は相談しやすいですね。
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ハラスメント対策に取り組む優良国内企業SIerの3つの見分け方【転職】
1.労働組合の加入状況を参考にする
労働組合がある国内企業が本サイトで紹介した対策をとっているケースが多いです。
加入状況は、連合加盟労働組合リストから調べることができます。
外部サイト:日本労働組合総連合サイト
主な国内企業SIerを探す場合、「電気連合」と「情報労連」にチェックを入れて、検索ボタンを押せば表示されます。
会社選びの際は、是非参考にしてみてください。
2.社歴や株主割合から組織方針の根付きを確認しよう
現時点で、国内企業の組織方針がどれだけ根付いているかが重要となります。
M&Aなどで、近年に傘下になった企業などは、過渡期で昔の会社体質がそのまま残っていることもあります。
社歴や持ち株の株主割合などで、組織方針の状況がある程度見えてきますので、そのあたりを参考にしてみてください。
3.ホームページの社長メッセージや先輩メッセージがありきたりのところは危ない
組織方針として、力を入れていない会社は「ホームページ」のサイトにも表れます。
教科書通りのありきたりのメッセージを記載しているところは、あまり組織方針に力を入れていない可能性があります。
その理由としては、「社長のリーダーシップが弱い」、「人事部の立場が弱い」、「先輩社員の意見をしっかりインタビューできていない」などの組織の弱さの表れが原因となっていることが考えられるためです。
他社とは違う特徴がある、または、具体的でイメージしやすいメッセージなどを記載しているところは、優良企業である可能性が高いと言えます。
今のパワハラで貯め込んだ精神ストレスの末路って?
パワハラ、モラハラ、セクハラなどのハラスメントは「精神的苦痛」になるものなので、どうしても「精神ストレス」の原因となってきます。
ハラスメントの精神ストレスによって、実際に引き起こされた症状はこちらです。
- 夜なかなか寝れない ⇒ 不眠病
- めまい・動機がはげしくなる ⇒自律神経失調
- 会社に行きたくない ⇒うつ病
- 胃腸の悪化 ⇒胃腸炎・下痢・便秘
- 強い恐怖を感じる ⇒PTSD
また、実際に体調を崩すことにより、会社に行けないことで給与の収入減、更に医療費も掛かる、といった事態にもなりかねません。
精神的なストレスはなかなか自覚しないため、「少し体調がおかしいな」と感じたら、医者に相談するようにしましょう。
最後に:ダメと思ったら見極めを早く
パワハラを会社に相談してダメなら、もう良くなる可能性は低いかもしれません。
それを我慢する必要がどこまであるのか。。今の会社が人生のすべてではありませんよね。
実際に、私自身も、「後1年」、「さらに後1年」と良くなることを待ち続けて、約2年間を無駄にした経験があります。
その時の経験談として、良い同僚や職場仲間の人間関係は、親密度の深い・浅いに関わらず大切にしてください。
できれば、可能な限りの円満転職を目指してください。
何かの同じ業界である限り、人間関係は転職しても続きます。
私の場合は、東京都内の転職でしたが、実際に色々な面で出会うこともありますし、仕事を一緒にすることもあったりしました。人間関係を悪くしなくて良かったという経験談でした。
ストレスをなるべく減らしていきましょう。
以上です。
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