「年功序列」も無くなり、上司と部下の両方から直に評価されるような人事制度を採用する会社が多くなり、中間管理職の立場では「無自覚の逆パワハラ」のケースが多くなってきてます。
そんな逆パワハラの多くは、やってる側が気づいていないことが多く、余計に性質の悪いものとなってます。
本記事では、逆パワハラの原因と特徴、および具体策について、お伝えしたいと思います。
本記事のトピック
- パワハラ/逆パワハラはやる側が気づかない
- 外資系企業や中小企業・ベンチャー企業にパワハラが多い本当の理由とは?
- 逆パワハラが起こった時の3つの具体策
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パワハラ/逆パワハラはやっている側は気付かない!
IT業界の逆パワハラ具体例
まずは、パワハラの具体例から見てみましょう。
具体例
・プログラミング知識が無いことを理由に後輩社員達から無視されるようになった(35歳/男性)
・後輩から仕事の進め方が非効率で業務が進まないなど自分がいない会議で上司に愚痴をもらした。(43歳/男性)
・後輩社員が自分にばかり反抗的な態度を示す。(32歳/女性)
私も仕事が終わらず残業しているときに、勤務時間の申告をするな、と言われたことあります。
それはサービス残業の例ですね。雇用側の労働基準法違反となり、悪質な場合は懲役刑や罰則刑もあります。
同僚や知人も何も言わなかったので、当然のことと思ってました。。
ブラックな会社だったんですね。先に声を挙げたものが目の敵にされてパワハラがエスカレートするケースもあります。たとえば、無視とか。
無視もパワハラなんですか?
パワハラのケースは色々あります。それを紹介しよう。
厚生労働省が定義するパラハラ6類型
厚生労働省のHPである「明るい職場応援団」では以下のように定義されてます。
①身体的な攻撃 | 叩く、殴る、蹴るなどの身体的な暴行を加える |
②精神的な攻撃 | 職場の中で大声で叱責する、他の職員をメール宛先に含めて罵倒する |
③人間関係からの切り離し | 特定社員だけ会社の打ち合わせや、歓迎会に呼ばない |
④過大な要求 | 特定の社員だけ大量の業務を押し付け、他の社員は先に帰る |
➄過小な要求 | コピーや単純作業ばかりを長期にわたって押し付ける |
⑥個の侵害 | 交際相手や家族に関する情報を執拗に聞かれる |
一般的にパワハラは、上司から部下へのいじめ・嫌がらせをさして使われる場合が多いですが、
先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して行われるものも含まれます。
つまり、「職務上の地位」に限らず、
「人間関係や専門知識・経験などの優位性」を使って、相手に対して精神的な苦痛を与えるものも含まれます。
つまり、精神的な苦痛を受けることがパワハラなんだね。
パワハラの定義とは以下の通りです。
職務権限等を使って、適正な範囲を超えて、有形無形に圧力を繰り返し、精神的苦痛を与えること。
そういえば、「すべて指導のうち」だ、「お前のためだ」と言われたことがありました。
精神的な苦痛を受けていたなら、パワハラに該当するケースかもしれないですね。
では、つぎに何故パワハラが起こるかについて、触れてみましょう。
パワハラが起こる原因:やる側がきづかない
パワハラは、やっていることが気づいていないケースが殆どです。
職務上の優位性の立場になると、どうしても「相手の立場にたって物事を考える」という意識が薄れてることが原因でしょう。
また、仕事もある程度任せられてきて、中間管理職のような立場のジレンマで、他人まで気遣いが回らないといったケースもあるようです。
相手の立場にたって考えているか、同じ言葉を自分の大切な人(パートナーや
子ども、友人等)が言われたらどう思うか考えてみることが大切。。それが気づけてないことが問題ですね。
外資系会社や中小企業・ベンチャーにパワハラが多い理由
外資系企業は「社員評価制度の違い」が関係している
外資系企業と日系企業との大きな違いは、「社員の評価制度の違い」にあると言えます。
その理由について、ご説明します。
外資系企業では、社員の評価および給与を決めるのは人事部ではなく、主に直属の上司やマネージャになります。
日系企業でも「評価報告」まで直属の上司で同じですが、評価に対する給与制度は人事部が社員共通制度として決めます。
よって、外資系の場合はこの給与を決めることまで、直属の上司やマネージャに任されていることが大きな違いです。
また、外資系の場合は、採用や解雇までの権限を上司が握っている企業もあります。
例えば、外資系企業は食事会やホームパーティー、ゴルフなどを月1回程度で開催するといった話を耳にしたことありませんか?
上司やマネージャは、コミュニケーション作りの一環のつもりでしょうが、雇用される側にとっては、出世や昇給に関係する大事な場であるため、自ずと出席しなければならなくなります(笑)
このような環境ですから、外資系企業ではパワハラが多くなるわけです。
中小企業・ベンチャー企業の場合は個人が原因
中小企業やベンチャー企業に多いのが、「ワンマン経営者」や「オラオラ上司」の個人に原因があるパターンです。
そのような彼・彼女達の一部には、「自分ができるのだから他人も出来る」、「昔、自分がやってきたのだから甘えてるんだ」という自分自身を成功事例の模範にするような考えを持っている人がいます。
そのため、後輩・部下に対しての「指導」を勘違いするケースがパワハラの原因です。
また、そのような企業文化の会社である場合、後輩社員も同じ考えを持つようになります。
それによって、中間管理職の立場では、「後輩社員から常に仕事のやり方や指導面で厳しい目で見られ、何かミスであれば付け込まれる」といった逆パワハラも多くなります。
また、中小企業やベンチャー企業では、会社としてのパワハラをしっかり取り組無用な制度が少ないところが多いことが、原因の1つでもあると言えます。
ホワイトな企業としてパワハラ撲滅にしっかり取り組んでるような会社は、まず「経営者」が組織の方針として”宣言”したり、相談窓口が設置されていたりするケースが殆どです。是非、確認することをお薦めします。
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逆パワハラの3つの対応策
1.後輩にでも「挨拶」「御礼」「褒める」を心掛ける
セクハラ、逆セクハラとも、まず最初の対策は「会話」です。
その意味で、朝一番の「挨拶」から始めましょう。
私の場合、実は今の職場でも、朝の挨拶をぼそぼそっと返事をする職員がいます。
返事が無い、返事が小さい場合、自分が嫌われている気にしてました。
ところが、あるときその本人に雑談まじりで聞いたところ、朝は、低血圧で元気が無いという理由だそうです。
私の場合、こちらから意識して「最初に挨拶をする」ことでこのような理由も聞けた”きっかけ”になったと思います。
日頃からの「挨拶」、「御礼」、「褒める」を心掛けてるとよい”きっかけ”作りになりますので、是非実践してみてください。行動が大切です。
2.専門知識が無ければ無理せず、仕事をやりやすい「雰囲気作り」に徹しよう
もし、逆パワハラが「専門知識・経験などの優位性」を利用したもので権威を振りかざしている場合なら、その相手の専門性などの領域でで張り合う必要はありません。
中間管理職という立場では、「チーム全体」として結果を出す、パフォーマンスが求めれるためです。
そのために、その相手の専門性や知識を活かしたパフォーマンスを発揮しやすい環境作りに徹しましょう。
例えば、「顧客折衝」、「内部の人間関係への調整」、「事務処理」などの面倒なものです。または、率先して飲み会の幹事をやったり、業務に必要な教材やパソコン環境を揃えるといったことも良いかもしれません。
私の場合は、今の業務の専門性は低いですが、企画部と調整して、TV会議用にカメラ付きAIスピーカーを購入して、会議室で活用するようにしてみました。
ミーティングで利用する際に活用方法などアイスブレークの話題になるため、チームの良い雰囲気作りになっていると思ってます。
3.対面で「正直に気持ちを打ち明ける」相手は気付いてない
先述のとおり、相手が悪気が無く気付いていないケースがあります。
会議室などでもよいので、2人になって正直に打ち明けて話してみよう。
個人的には、その場合の部屋はできるだけ個室が良いと思います。静かな環境で、じっくり相手の話も聞けますし、自分の考えも打ち明けれます。
何よりも、大切な話の途中で、邪魔が入りにくい、という点が大きいですね。
おまけ:どうしても対面での話が難しい場合は?集合教育を利用してケーススタディで間接的に伝える
相手は、パワハラなどの教育をまだしっかり受けておらず、どういうことがパワハラになるかも気づいていないケースがあります。
そういう場合は、チーム全員を集めて、間接的に、「パワハラ」の教育を実施してみると良いでしょう。
その中のいくつかのケーススタディで、パワハラや逆パワハラの具体例を挙げて、間接的に伝えてみる、という方法です。
まとめ:精神ストレスは気付きにくい
これまで、パワハラの事例や逆パワハラが起こりやすい職場環境について、お伝えしましたが、パワハラは相手との人間関係が「原因」であり、また、人間関係が「対策」とも言えます。
もう一度具体策を纏めます。
- 後輩にでも「挨拶」「御礼」「褒める」を心掛ける
- 専門知識が無ければ無理せず、仕事をやりやすい「雰囲気作り」に徹する
- 気づいてない相手に対面で「正直に気持ちを打ち明ける」
- おまけ:対面が難しい場合、集合教育を利用して間接的に伝える
ただし、上記を対応しても、相手の人間性や会社側の原因が問題で解決できな場合もあります。
その場合は、決して無理しないでください。今の会社が人生のすべてではありません。
少しでも行動を起こした、ご自身を是非褒めてあげてください。
精神的なストレスは、自律神経失調・うつ病・パニック障害などのどんどん重い精神病のきっかけに繋がってます。
無理せず、今の良い同僚や職場仲間の人間関係は大切になさってください。
その関係は、もし転職や退職することになっても続きます。
最後に、私自身がおすすめ本をご紹介しておきます。
決定版!問題社員対応マニュアル
以上です。いかがでしたでしょうか?
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