IT業界のネットワークエンジニアを含めたインフラ全般エンジニアは、作業のコモディティ化が進み、実際に単純作業は、自動化ツールやRPAなどの普及で技術者との生き残りが厳しくなってきました。
ネットワークエンジニアもその1つで、「このままで良いのか?」、「将来どうしよう?」と不安がよぎったりしませんか?実際に私の周りのエンジニアも、別の業種に進んだという話も多く聞こえてきます。。
実際に「現役ネットワークエンジニアからこの先どうしたらよいか?」という相談をよく受けます。
そんなときは、ネットワークエンジニアのこれまで強み(スキルセットや業務経験)を活かしつつ、これかの転職もしくは同じ職場内のキャリアプランとして、進むべきおすすめ職種の話をするようにしてます。
そのような身近な話題をまとめましたので、同じ境遇のネットワークエンジニアの方は、何かの参考になればと。
というわけで、本記事の内容は、以下の内容となってます。
- 現役ネットワークエンジニアもしくは同等の経験がある人
- この先の転職の職種選びや同じ職場内のキャリアプランをどうしようか悩んでる人
- 実際にもう転職活動をしている人
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目次
ネットワークエンジニアの過去経験で得た強みを改めて振り返る
ネットワークエンジニアとしての過去業務を振り返ってみる
まず、簡単にこれまでの過去業務を思い出してみましょう。おそらく以下のような作業をやってきたのではないでしょうか。
- Visioを利用し、詳細なネットワーク論理図や物理図を作った
- Excelで大量のIPアドレス管理やポート収容表を管理してきた
- 増設やシステム構成変更のたびに、毎度複雑なVLAN設計に頭を悩ませた
- リリース作業は何かあったときのために、作業の立会いに呼ばれるか待機を命じられる
- 何か問題があると、まずネットワークエンジニアがほぼ招集される
- ミスでトラブルを起こしたときは影響範囲がおおきいため、商用作業は慎重にならざるを得なくなった
他にもありますが、割と上記はどこのネットワークエンンジニアも共通のことですよね?w
特に、最後の「ミスでトラブルを起こした時の影響範囲が大きい」という点が、サーバ系エンジニアやアプリ系エンジニアとは違いネットワークエンジニアとして長年経験した人が慎重派になる、慎重にならざるを得ない、という特徴が表れていると思います。
よくあるミスに、リモートからの拠点からログインして障害テストを実施しているときに、検証環境と商用環境を間違えてシステムを止めてしまった、なんて話しても年一回ぐらいは聞く話です。
それが、システム全体の基幹系NW機器である、ロードバランサ―やFWだったりすると、システム全体のサービス停止になったりして、多大な影響となったりします。
逆に言うと、こういうミスは誰でも通ってくる道なのかもしれませんw
私も商用環境作業中の「ひやりハッと」は、かなり経験しました。。
ネットワークエンジニアとして経験した「強み」を考えよう
では、ネットワークエンジニアとしての強み(武器)を考えてみましょう。
ヒューマンスキル面の「強み」を考える
これまでの経験からざっと以下のような感じだと思います。
- 商用作業ミスは絶対に許されない ⇒ 基本仕事は慎重派
- ネットワーク論理図や物理図 ⇒ 細かい作業を完璧にこなす
- 不通や性能関連のトラブルシュート ⇒ 妥協せず最後まで不屈で追求する
いかがでしょうか?遠からずとも、そんなにハズれてはないのではないでしょうか?
ひとことでいうと、ネットワークエンジニアは「古き良き日本人の職人気質」な人だな、と思います。
その意味で、「本当の技術者」であり、だからこそ「商用環境の設計や作業を任せられる」人であると思います。
まとめるとネットワークエンジニアの「強み」は3つ
以上の理由から、ネットワークエンジニアの強みをまとめると、
「仕事は慎重」
「細かい作業を完璧に、妥協せず、最後までやり遂げる」
「仕事を安心して任せられる」
というような、3つのポイントだと思います。
ネットワークスキル面の「強み」を考える
次に、純粋にネットワーク技術面での強みを考えてみましょう。
- VisioやExcelなどの図表や管理ドキュメントをかなり扱える
- NW機器のコマンドラインに詳しい
- バッチ処理程度のスクリプトならプログラミングできる
- 小中規模のシステム全体ネットワーク設計なら一人でできる
最近はGUIで設定できるNW機器も増えましたが、ネットワークエンジニアは作業の効率化や作業品質を確保するために、コマンドラインで作業することが殆どのはずです。
そのため、かなりコマンドライン操作に慣れ親しんだ経験から、TeraTermのマクロやLinuxのシェルスクリプトなどにも精通していて、ごく簡単なプログラミングなら書ける、という人もいるのではないでしょうか?
ちなみに、そのような言い方をすると、ネットワークエンジニアの方は”特に”謙虚なので、「プログラミングなんて全然無理」と返答されますw
仮に、コマンドラインでのNWの構築作業手順書なんて素人が見てもホントに意味不明なため、やはりネットワークエンジニアのスキルセットはすばらしいものだと思います。
加えて、建築士か電気工事士が作成するのような、あの緻密なNW論理構成や物理構成の図面です!!これを作成していることもすばらしいスキルですね。
そのあたりのスキルセットは、是非ともネットワークエンジニアとしてこれまで培った”強み”として、自身を持っていきましょう!
ネットワークエンジニアのおすすめ転職先は3つ【適正と将来性を優先した結果】とその理由
では、これから転職や同じ職場内のキャリアプランを考える場合の進む先を考えます。
その際に、前述した「これまでのネットワークエンジニアとしての経験から踏まえた適正」と、これからの選ぶ「職種の将来性」の2つを優先して考えた場合の、おすすめをご紹介します。
SD(ソフトウェアデザイン)ネットワークとレガシーマイグレーションスペシャリスト
「強み」からの職業適正 | ◎ |
将来性や収入UP見込み | 〇 |
難易度の低さ | ◎ |
まず、1つ目。そのまま今のネットワークエンジニアとしての技術力を活かして、
キャリアアップを目指すという選択肢です。
この場合、適性は言うまでもなく◎(ニジュウマル)です。
ただ、レガシーシステムばかり担当していても、
将来性を考えて以下の点を目指すことをおすすめします。
・SD(ソフトウェアデザイン)ノウハウ習得とシステムに詳しくなること
例)クラウド、仮想化
現役エンジニアなら薄々と感じているか、もう当たり前のことだ!と
思う方もいらっしゃると思います。
もしかしたら、日々の業務多忙で最先端の技術研修やセミナーなど
行く時間がない人に向けて、、、敢えてココで言いました!
もう1つ注意です。
ただ、SD(ソフトウェアデザイン)ネットワークの仕組みや構成を
知っているだけではダメです。
今の仕事でされているシステムを見てください。
ほとんどの場合、そんな綺麗なネットワーク構成になってなくて、
物理と仮想がまざったごちゃごちゃしてませんか?
これが現場の実態なんですw
よって、何をお伝えしたいかと言うと、
当面(数年~数十年)は、レガシーネットワークと
SD(ソフトウェアデザイン)ネットワークの混在で食べていける、
ということです。
レガシーマイグレーション(移行)のスキルが求められる
また、レガシーからクラウドへのレガシーマイグレーションの
技術がネットワークエンジニアに求めらるということです。
そのために、レガシー以外に、最先端のSDの技術取得しておくことで、
ネットワークスペシャリストとしてのキャリアアップが図れるという理由です。
いかがでしょうか?
RPAとセキュリティに精通した社内情報システム部門ネットワーク管理者
「強み」からの職業適正 | ◎ |
将来性や収入UP見込み | 〇 |
難易度の低さ | 〇 |
2つ目は、社内情報システム部門に進むという選択肢です。
今、どこの企業も社内情報システム部門の人員を削減して、SaaSなどのクラウドサービス利用やアウトソーシングサービスの活用が進んでます。
ただ、これらのシステム導入を検討するにあたっては、どうしても社内ネットワークと接続する必要があるため、最後までネットワークに詳しい人間が必要になります。
よって、ネットワークエンジニアは最後まで必要な人財となるわけです。
この場合の他に習得が必要なおすすめスキルとしては、RPAやセキュリティ関連です。
RPAに関しての基礎情報はこちらの記事を参考にしてください。
セキュリティ関連は今トレンドの下記のキーワードあたりでWeb検索して、無料イベントやオンラインセミナーなどに参加されることをおすすめまします。
・CASB(Cloud Access Security Broker:キャスビー)
・EDR(Endpoint Detection and Response)
ブロックチェーンの新プラットフォームネットワークエンジニア
強み」からの職業適正 | 〇 |
将来性や収入UP見込み | ◎ |
難易度の低さ | △ |
3つ目は、これまでのネットワーク技術を応用して、注目のブロックチェーンエンジニアとしてのキャリアアップを目指すという選択肢です。
適正に関しては、ブロックチェーンは新たなプラットフォームと言えますが、これまでのNW知識がかなり役にたつと役に立つことは間違いなしです。
ブロックチェーンエンジアに関しては、既存ITエンジニアとの違いをまとめてますので、こちらを参考にしてください。
ブロックチェーンエンジアとの大きな違いとしては、証跡追跡やデータ保存形式が違うだけで、分散ネットワーク構成とした場合のボトルネックや性能問題といったネットワーク知識はこれまでの経験をふまて、きっと活躍できることでしょう。
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転職を成功させるポイント ⇒技術は問題なし。奥手なので、積極性のアピールと早めの行動がコツ
私の知る限り、ネットワークエンジニアの多くのひとは、「慎重」で「奥手」気味です。
また、口先よりも行動で示すタイプが多く、まさに良い意味で「古き良き日本人の職人かたぎ」です。
よって、「口ベタ」だったり、「あがり症」で、自己アピールがあまりうまくない人がいます。
そのような場合は、以下の方法をおすすめしてます。
- いったん行動を起こしたら途中でやめない
- あがり症は、ある程度「慣れ」で解決する
- くじけそうになったら、楽しい将来像をイメージする
- 今の状態を続けて、50歳、定年退職にときの状況を想像する
いかがでしょうか?(笑)
30代の年月が過ぎるのは本当に早くなります。さらに40代はもっと早くなりますよ!
あっという間に、今の一生が終わってしまいます。是非、今のうちにチャレンジしてみてください。
最初の具体的な行動方法とそのときの注意点
最初の具体的な行動方法
どんなことでもそうですが、最初は情報収集に尽きます。
ただ、ここまで本記事を読んで頂いたならば、もうこれ以上、ネット情報の業界口コミから得られる情報はあまりないと言えるでしょう。
よって、つぎは実際に人に合うことをおすすめします。
- おすすめした3つの職種の現役エンジニアって話を聞く
- 転職エージェントの人に合って隠れ案件を探してもらう
1点目は、知人がいなければ、無料セミナーや展示会などに参加してみると良いと思います。
以下に、無料セミナーの一部をご紹介します。
2点目の転職エージェントに関しては、こちらにそれぞれのメリットを詳しく記載してますので、参考にしてください。
ネタバレしますが、転職エージェント選びのコツは、「いかに隠れ案件を探すか」と「信用できるエージェントスタッフ」を見つけるか、の2つがポイントです。
信用に足る人物かどうかは、やはり実際に相手に会ってからでないと判断がつきません。
具体的な行動する際の注意点
注意点は、「焦らない」ことです。
さきほど、早めの行動を言いましたが、最初の行動を起こしたら、そのあとはじっくり納得が行くまで検討しましょう。
ご参考までに、おおよその転職に必要な期間をご紹介しておきます。
初動から転職までの期間は、大体3か月~6ヶ月は見込むべき
- 情報収集 ⇒1か月
- 面接準備や面接~採用 ⇒2ヶ月~3ヶ月
- 元会社に退職意識を伝える~退職 ⇒1~2ヶ月
となります。
情報収集の最初の行動が早ければ、それだけ時期が早まります。
最後に…
繰り返しになりますが、ネットワークエンジニアの人は、これまでの職業病から、特に仕事面での行動は慎重になりがちです。
だからこそ、大切な人生を決める、次の行動も慎重になるなのは当然です。
また、家族や親族の生活を養っていたり、住宅ローンがある場合はなおさらでしょう。
ただ、今のままで定年まですすんでよいですか?
キャリア採用の転職はできるのは、30前後が一番有利で、39歳まででその半分、45歳までで5%ぐらいになります。
46歳以上なんてほんとの厳しい状況。。私ももうすぐですがw
なので、今すぐできることとして、「情報集め」と「人に会う行動」をすることをおすすめします!
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